アクティブ かむかむ ウォーキング

ウォーキング+α ウォーキングの効果アップ  体も心も健康にアクティブかむかむウォーキングをご紹介

アクティブかむかむウォーキング2020

アクティブかむかむウォーキング2020

東京歯科大学教授の武田先生は、日本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフを務め、数々のトップアスリートを歯科医として支えるスポーツ歯学研究者です。スポーツ歯学とは、スポーツを歯学の立場から科学的に研究する学問として注目される新分野です。武田先生は、レスリング、ラグビー、スキーやプロ野球などの幅広い競技で、けが予防用マウスガード(マウスピース)の普及や噛むこととスポーツパフォーマンスの関係を研究しています。今回、スポーツ歯学の第一人者である武田先生に、噛み合わせと運動能力に関する最新トピックやトップアスリートたちも注目する噛むテクニックなどについて、お話を伺いました。そこには、私たちが生活の中で取り入れられる健康のヒントがあふれていました。

武田 友孝

東京歯科大学 口腔健康科学講座 スポーツ歯学研究室 教授
日本オリンピック委員会強化スタッフ、日本障がい者スポーツ協会公認 障がい者スポーツ医
著書『健康スポーツ歯科Q&A -歯科がサポートする運動、健康、生活機能』
『カスタムメイドタイプ新マウスガードのつくり方』など

スポーツ歯学医として、今年はどんなことに注目されていますか?

長年、国内のプロ・アマのトップアスリートと関わってきましたので、2020年は、世界各国からさまざまな競技のトップアスリート達が来日しますから、彼らが「どんな」マウスガードを「どのように」使っているのかを実際に見ることが非常に楽しみですね。またこの機会に、まだスポーツ歯科医のサポートが入っていない、パラリンピック競技やアマチュア競技にも、スポーツ用マウスガードや歯学の知見を普及させていきたいと考えています。

アスリートにとって口腔ケアが重要なのはなぜですか?

噛むことが運動パフォーマンスに影響を与える例として、野球のバッティングやサッカーでヘディングをする時に噛みしめることで、ボールコントロールが良くなることが知られています。また、ラグビーでの衝撃時に意識的に噛む動作を行うと、首や腕の筋肉が連動して受け身の姿勢となり、衝撃から身を守ることができます。噛むことで頭の揺れが減るというデータもあり、頭の揺れは脳を守るという安全面からも重要ですから、日頃から正しい噛み合わせをするよう指導しています。
噛み合わせ指導以外にも、口腔ケアの講演も行っています。こういった歯とパフォーマンスとの関係をプロアスリートの皆さんは体験的に知っていて、歯のケアや栄養摂取のことにも意識の高い方が多いなと感じますね。プロ野球チームの講習会で行っている「噛む力測定」の際にも、右の歯ばかりを使っていた選手に両方の歯で噛むことを勧めたところ、成績が良くなったと大変喜ばれました。個人的感想かもしれませんが(笑)。

千葉ロッテマリーンズ 春季キャンプで毎年行われる武田先生の出張講演の様子

スポーツ歯学 最新研究トピック

歯の噛み合わせのずれが、全身バランスを狂わせる?
噛み合わせが、全身のバランス維持に影響することが実証されました!

2019年11月に発表された「噛み合わせの悪さが歩行に与える影響」についての研究で、健康な学生40人に目隠しとヘッドホンをして歩いてもらい、わざと噛み合わせをずらした場合、歩行にどのような影響がでるかを調べました。結果は、たった5㎜ 噛み合わせをずらしただけでも、歩く速度や歩幅に変化があらわれ、まっすぐ歩けなくなるなどの影響が出ることが確かめられました。

噛み合わせがずれると、顎と首の筋肉の力に偏りが出るため頭が傾き、まっすぐ立てない・歩けない状態となって体全体のバランスを崩すことが明らかとなったのです。

(東京歯科大学 口腔健康科学講座 スポーツ歯学研究室 2019年11月発表論文より)

私たちにも役立つ、噛む力を鍛えるテクニックを教えてください。

個人的には、お子さんには小さい頃から噛み応えのあるものを与えていただきたいですね。また、これは高齢者にも有効ですが、噛む習慣によって顎の筋肉が鍛えられ、体全体のバランスが整います。一方で、顎を使うことで唾液が多く出るようになります。唾液は消化を促進させるのはもちろん、菌やウイルスに対して免疫力をアップさせるので、是非、実践していただきたいです。また、軽度認知症の高齢者における転倒回数を調べた実験では、入れ歯であっても歯が残っている人の方が転倒が少ないという結果が出ています。噛む力は、踏ん張る力。正しく噛む習慣を身につけましょう。

武田先生オススメ! 今日からはじめる噛む習慣

歩きながら噛むダブルタスクは、
良いことづくめ

運動しながら数字を数える、歩きながらリズムをとるなど、2つの課題を同時に並行して行うことを「ダブルタスク」といい、脳の活動に良い影響を与えることが知られています。
アクティブかむかむウォーキングは、ガムを噛むことで脳の前頭前野部分の活動を増やし、歩くことで全身を使った有酸素運動になります。噛み合わせを整えて、かむかむウォーキングにチャレンジしましょう。